たとぇば
雨が降れば
蓮の手にする傘ぉ 父の方ぇと 余分に傾け
長い髪が濡れるのも気にせず そのまま歩きます
盛夏の街中
ぅだるよぉな暑さの中
小さなぉ扇子ぉ ひらひらと扇ぎ
汗ばむ父の 斜め後ろから風ぉ送って そのまま歩きます
父の背中ぉ見ながら 上着や作務衣に 袖ぉ通してもらぃ
玄関先にゎ 履物ぉ揃ぇます
左利きの父に合ゎせ 箸ぉ置ぃて
ただ 煙草に 火ぉつけたりゎしません
蓮が そぉしたぃから してぃることで
父が そぉされたぃゎけでもなぃのでしょぉが
父ゎ 「ありがとう。」とも なにも言ゎず
蓮の そんな仕草も さらりと受けとれる男(ひと)で
なので 些細なことデスが 女冥利に尽きるのデス